ドルキャリートレード
ドルキャリートレードは、「ドルキャリー取引」とも呼ばれ、世界的に低金利の米ドルを借り入れ、より高金利の新興国や資源国の通貨や株式、金・原油等の国際商品などに投資して利益を獲得する投資手法のことをいいます。
これは、2008年のサブプライムショックを契機に、米国の事実上のゼロ金利政策や量的緩和政策により、米金融当局が市中に潤沢な資金を供給するプログラムで米国の金利が大幅に低下し、その後、金融システムが安定化する中で行われるようになったものです。
(欧米の機関投資家やヘッジファンドなどがリスクを再び取り始めて、2009年6月頃から本トレードが目立つようになり、テーパリングが起こった2014年くらいまで続いた)
一般にドルキャリートレードの拡大は、外国為替市場でドル相場に下げ圧力がかかるため、全般的にドル安につながり、またドルの割安感からドル建てで取引される商品相場が押し上げられる傾向がありました。
ちなみに当時、日本で気軽にできたドルキャリートレードは、外国為替証拠金取引で、資源国通貨やユーロなどの対ドルの通貨ペアを「ドルショート」にするという方法がありました。