フラッシュオーダー

フラッシュオーダーは、米国の証券取引所やECNなどが、かつて顧客向けに提供していたサービスをいいます。
元々は、早く注文を見た業者が注文に対して素早く対応することで注文を成立しやすくし、また取引の流動性を高めるために導入されたもので、その利用契約を結んだ業者に独占的に情報が提供されていました。

本サービスが提供されていた当時、取引所等に入った売買注文情報が限られた業者にだけ、0.03秒ほど他の業者より早くオープンになったため、この仕組みを使って、1秒間に数千回といった超高速の売買を実行する「ハイ・フリークエンシー・トレーディング(HFT)」で儲ける、コンピューターを駆使した株式の高速トレーディングが可能となり、巨額の利益を上げるケースが見られるようになりました。これに対して、一般投資家が不利益を被っているのではないかとの批判が高まり、2009年にSECから禁止の法案改正が提出され、フラッシュオーダーを提供していた取引所等は自主的にサービスの運用を取りやめました。

<フラッシュオーダーの具体的な流れ>

1.投資家や証券会社がフラッシュオーダーと指定し、注文を取引システムに送付する。

2.その注文はフラッシュ時間帯(超短時間)、取引システムが保持する。

3.その間、本取引システムの情報配信サービスの一部として、フラッシュオーダーの注文情報を配信する一方で、他へは公開しない。

4.情報配信サービス利用者は、フラッシュ時間帯に配信された注文情報を元に執行することが可能。

※ECN:Electronic communication network(私設の株式電子取引システム)