カントリーリスク

カントリーリスクは、その国の政治・経済・社会などの見地からの「国の信用リスク」のことをいいます。
これは、対外投融資や貿易の対象となる国の信用度のことであり、その国の事情によって、出資金や貸付金、輸出代金などが回収不能となる危険度を意味します。

一般に外国の資産に投資する場合、国内の資産への投資と比べて、その国特有の事情(政治不安、社会不安、インフレ、制度変更、外資規制、債務不履行、ストライキ、テロ、紛争、内乱、革命、自然災害他)による市場動向の変化が大きなリスクとなっています。
実際にカントリーリスクによって、発展途上国のソブリン債がデフォルトになったり、日本企業の新興国投融資で多額の損害を出したりした例が過去に結構あります。

現在、カントリーリスクは、世界の全ての国に存在し、主に民間の格付け機関が具体的な数値や危険度を公表しており、通常、発展途上国や新興国のリスクが先進国より高いのが普通ですが、先進国でも経済状況によっては、そのリスクが一気に高まる場合もあります。
また、実際のリスク分析にあたっては、一人当たりの国民所得や外貨準備高、国際収支、財政状況、対外債務などの経済面以外に、政治や社会などの安定度なども考慮し、総合的な視点から判断されます。

なお、個人の資産運用においても、外国の通貨や株式、債券、投資信託(ファンド)などへ投資する場合は、本リスクに注意する必要があります。
例えば、身近な投資対象として「新興国ファンド(ハイリスク・ハイリターン)」がありますが、内在するリスクの中でカントリーリスクの影響は決して小さくないので、その動向には十分に注意が必要です。