先日、名古屋税理士会平成28年度新年賀詞交歓会にて、いろいろな著名人が話をされていましたが
愛知県知事の大村知事は先日のココイチカレーの廃棄カツ問題について話したりしていました。
それはともかく、税金のプロ集団である名古屋税理士会が強く話していたことは
「単一税率の維持」
もうこの一言に尽きます。
この「単一税率の維持」って何のことかわかりますか?
わかりやすく言えば「消費税の軽減税率反対」です。
軽減税率は弱者の味方?→いやいや思いっきり敵ですよ。
これは何も「税理士会は弱者の敵だ・・・増税に賛成な人たちの集まりなんだ」てな話では全くありません。
軽減税率ってのは
これから消費税が10%に増税された後の話で、
モノによっては10%じゃなくて8%のままにしようって話が検討されています。(じゃあ、そもそも軽減されてねーじゃんってのはまた別の話で・・・)
現行のまま8%に据え置くモノと10%に増税されるモノ。こういうモノによって税率が変わったりする制度の事を複数税率と言います。
この複数税率ではなく現状の「消費税はどんな商品を買っても8%」というような単一税率を維持してくれ。とひたすら話していました。
おそらく多くの人は
「もう増税はやめてくれ・・・」
「せめて軽減税率だけは導入させよう」
「軽減税率は弱者の味方だ」
というような思いを少なからず持っているはずです。
だってメディアではこういうことばっかり言っていますからね。
でも、軽減税率は僕も反対です。
(というかそもそも、増税に反対というのは置いておいて)
なぜ税理士は軽減税率反対なのか?→仕事増やすなヴォケェ
ご自身でビジネスをされている方であれば経験があるかもしれませんが、税務に関する書類や会計に関する業務は非常にややこしく全部自分でやるなんてことは・・・考えたくもありません。
というかこれらの作業が「普通は全部自分でやれちゃうだろ、常識的に考えて」というような状態であればそもそも税理士なんて必要なくなっちゃいます。
現状、税理士が必要理由は上記のように全部自分でできる。なんて人が圧倒的に少ないからだと思います。
いくらプロの税理士だからと言っても現時点で大変な労力がかかっているわけです。
そこにモノによって税率が変わるなんてことになったら、現状でも大変な作業がより複雑になることは確実です。
彼らにとってデメリットが大きい。
これが税理士が軽減税率の反対。というか単一税率の維持を強く訴える単純な理由かと思います。
でも、軽減税率が国民にとってメリットのある事なのであれば、税理士さんには悪いけど頑張って対応いただきたい。
と思うでしょう。
でもコレ、税理士だけの問題じゃないですよ。
どう考えてもあなたの生活に影響が出てきます。
税率がややこしくなると誰が困るの?
真っ先に困るのはレジが困ります。
彼ら機械は決められたことしかできませんので新しいデータがそろわないと正しく計算することすらできなくなります。
あなたがお買い物をするときにどこに行ったって使われているあのレジ。
あれが全部、新しくなった税率に対応させないとお買い物すらできなくなっちゃうってことです。
じゃあ、新しいレジを導入しましょうか。
その設備投資は誰が負担しますか?
モチロン店舗が負担します。
その結果その負担分のマイナスがお客さんへの値上げ等の形で現れたり
そこで働く社員の「お給料アップ」の可能性を減少させたり
もしかしたら「ボーナスカット」されたりします。
イイ事なんてほとんどありません。
そして、ファストフード店なんかでは
「お持ち帰りなら軽減税率で、店内で食べるなら通常の税率」とか意味わかんない事が検討されるようになります。
その検討するのにだって税金を使って会議が開かれるわけです。
結局シンプルがいいんですよ。
そもそも、増税反対だけど、増税するんだったらめんどくさいこと導入せずに諦めましょうよ。
結局、軽減という言葉に騙されて苦しむのは国民なんですから。
会社の経理だって大変になるし、これから起業するぞって人も個人事業主から始めるかって人もハードルがめっちゃ上がります。
誰も得しないんだから。