流動性リスク

流動性リスクは、「リクイディティリスク」とも呼ばれ、資産運用において、マーケット(市場)で取引高(取引量)が少ないため、株式や債券などを換金しようと思った時に、すぐに売れなかったり、希望した価格で売れなかったりするリスク(可能性)をいいます。
これは、大きく分けて、市場性があまりない商品自体(銘柄)によるものと、異常事態の市場状況によるものとがあり、一般的には、市場で売買される量が極端に少なかったり、市場がクラッシュ(大暴落)したり、戦争や自然災害などで突然取引ができなくなったりした場合に起こることがあります。

例えば、株式については、市場に出回る絶対量や取引量が少なく、人気薄の状態にある銘柄に起こったり、不祥事や経営危機などが原因で、売りが殺到して取引が成立しない(値がつかない)銘柄に起こったりします。
また、債券については、上場する国債等を除けば、全体として流動性が高いとは言えず、償還期限前に売ろうとした場合に、すぐに売れない銘柄や不利な価格になる銘柄に起こったりします。

金融機関等の流動性リスク

金融機関等では、流動性リスクについて、「運用と調達の期間のミスマッチや予期せぬ資金の流出等により、決済に必要な資金調達に支障をきたしたり(資金繰りがつかなかったり)、通常より著しく高い金利での調達を余儀なくされたりするリスク」などと定義しています。

金融機関等のリスク管理

金融機関等にとって、流動性リスクは、すぐに経営危機に直結するため、日々の指標となるガイドラインの設定や流動性の補完体制、コンティンジェンシープランの策定など、全社(経営)レベルでリスク管理を行っています。