両建て

両建ては、信用取引や先物・オプション取引、外国為替証拠金取引、CFD取引などにおいて、同じ銘柄(商品)で「買い」と「売り」のポジション(建玉)を同時に作ることをいいます。
これは、損益面で利益と損失が相殺されて、そのポジション自体が無意味であることから、金融機関によっては禁止しているところもあります(システム的にできないところもある)。
また、金融機関が参加するインターバンク市場においては、常に買いと売りが相殺されるため、このような取引は存在しません。
通常、両建ての仕組みとして、もし同じ銘柄で、同じポジションを買いと売りで両方持った場合、買いの価格が売りの価格よりも低ければ、その差額が利益として確定されることになります。ただし、ほとんどの場合、金利などのコストがかかるため、その分は日々マイナスになることが多いです。

一般に両建ては、取引面において賛否両論がありますが、時としてリスク管理の視点からは利点もあります。
例えば、外国為替証拠金取引において、円高が大きく進んで、将来の円安狙いで中長期のドル買いをするという場合、ドル買いのポジションを作った後に、ある程度利益が出た段階で、その一部をヘッジするというのは一つのやり方です(外貨預金ではできないこと)。
また、トレンドに合わせたポジショントレードを行っている場合、たまに相場がボリンジャーバンドを外れて行き過ぎた時など、反対ポジションを作ってヘッジしたり、揺り戻しの収益を狙ったりするというのも一つのやり方です。
このように両建ては、アイデアによっては、結構使える投資手法と言えます。