ベータ値(β)

ベータ値(β)は、個別証券と市場(マーケット)の連動性を示すリスク指標で、ある証券(銘柄)の変動の大きさがベンチマーク(市場平均)の価格変動に比べて大きいか小さいかを示す指標をいいます。
これは、ある銘柄の投資収益率の市場平均の収益率に対する感応度を表し、「市場感応度」とも言います。

一般にベータ値が1であれば、市場平均と同じ値動きをすることを示し、また1より大きければ市場平均より値動きが大きく、逆に1より小さければ市場平均より値動きが小さいことを示します。
例えば、株式市場において、ある銘柄のベータ値が1.8ということは、市場全体が10%上昇するとその銘柄は18%上昇し、逆に市場全体が10%下落するとその銘柄は18%下落することを意味します。

なお、ベータ値を推定する方法には、いくつかの手法がありますが、ヒストリカルベータ方式では、過去一定期間の投資収益率を市場全体の収益率と回帰分析することで推定した時の「回帰直線の傾き」として計測されます。
(過去のデータを基に求められたものを「ヒストリカル・ベータ」と言う)

現在、ベータ値(β)は、現代ポートフォリオ理論でよく用いられ、上記の個別銘柄の分析以外に、ファンドのポートフォリオの収益率を分析する際にも使われます。
この場合のベータ値は、例えば、株式ファンドにおいて、TOPIXや日経平均株価などの株価指数(ベンチマーク)に対して、そのファンドがどれくらい敏感に感応し、連動した値動きをするかを示す数値となっており、もしベータ値が2の場合は、株価指数が1%上昇すると2%上昇することを意味します。