テールリスク

テールリスクは、「ブラックスワン・イベント」とも呼ばれ、マーケット(市場)において、ほとんど起こらないはずの想定外の暴騰・暴落が実際に発生するリスクのことをいいます。
これは、通常、確率的には極めて低いものの、発生すると非常に巨大な損失をもたらすリスク(大幅下落するリスク)のことを指します。
また、「テール」とは騰落率分布の端や裾野を意味し、「テールリスク」は数十年~数百年に一度起こるかどうかのリスクのため、債務格付けなどでは考慮対象外とされます。

一般にテールリスクは、事前にほとんど予想できず、起きた時の衝撃があまりに大きい事象(出来事)であり、一度起きれば、マーケットに壊滅的なダメージを与えることになるため、その可能性は最低限頭に入れておいた方がよいでしょう。
実際のところ、その時々で入手できるデータを使い、コンピュータが描き出す(算出する)確率分布と違い、現実の世界では「予想できないこと」が起こりうるのが経験則としてあり、実際、過去に何度もテールリスクは起こっています。
具体的には、国際情勢に影響を与える政権交代や戦争・紛争、大規模なテロ攻撃、金融システムを揺るがす債務危機や巨額損失事件、人智を超えた地震やハリケーン等の自然災害などが要因として挙げられます。