ソブリンリスク

ソブリンリスクは、国家(国)に対する信用リスクのことをいいます。
通常、国際社会において本リスクが高まると、格下げ不安やデフォルト(債務不履行)懸念の台頭によって、国債などの需給悪化に影響し、国の資金調達が厳しくなります。
また、国の債務残高が大きく、短期債での資金調達の度合いが高い国ほど、利回り上昇によって利払い負担が増大することになります。
なお、ソブリン(sovereign)とは、英語辞書で「君主、統治者、国王、主権団体」といった意味があります。

一般に新興国において、過大な経常赤字や政情不安などによって、国(政府)の債務返済能力が懸念される場合にソブリンリスクが高まることが多いですが、昨今では、国の規模にかかわらず、財政赤字や公的債務残高の規模が大きい国に対して支払い能力の低下やリファイナンスに対する懸念が高まることがあります。
例えば、2009年-2010年のギリシャ危機では、ソブリンリスクが欧州の周辺国へも伝播し、一時緊張感が大きく高まりました。
なお、ソブリンリスクがどれだけ高まっているかを表すのが、デフォルトに備える保証コストを示す「クレジット・デフォルト・スワップ(CDS)」の保証料率で、これが上がるとソブリンリスクも高くなると受け止められます。