スリップページ

スリップページは、「スリッページ」とも呼ばれ、主に外国為替証拠金取引(FX)で使われる用語で、マーケットの状況により、逆指値注文(ストップ注文)の成立時に発生する、指定したレートと実際に約定したレートとの差(ズレ)のことをいいます。
なぜ、このような現象が起きるのかというと、もともとストップ注文は、指定したレートよりも実際のレートが不利な方向へと進んだ時点で自動的に成行注文に切り替わり、その瞬間のレートで成立するという仕組みになっているからです。
そのため、相場の変動(急落や急騰)が激しければ激しいほど、レート配信と実際の為替相場の変動にズレ(タイムラグ)が発生し、スリップページが生じやすくなります。

なお、損切りのストップ注文のスリップページでは、通常、不利なレートで約定するのが普通ですが、その一方で利益確定のストップ注文では、タイミングによっては、指定したレートよりも有利なレートで約定することもあります。

<スリップページの具体例>

例えば、ドル/円で110.00円での「売りストップ注文」を出していた場合、取引レートのBID(売り)側が110.00円以下を初めて付けた時点で成行注文として出されるため、その瞬間のレートで成立することになる。
これより、初めて付けたレートが109.68円だった場合、この売りストップ注文は109.68円で成立することになり、結果として0.32円(32銭)のスリップページが発生することになる。

※かつては、FX会社が半ば意図的にスリップページを起こし、収益の足しにしていた可能性も指摘されていましたが、今日では、顧客の目が厳しくなり、できなくなったようです。
(当時、調査会社が約定率とスリップページの発生率を調査したところ、スプレッドが小さい業者ほどスリップページが多く発生する傾向にあった)