年金

セミナーで

「年金はもらえると思いますか?」

と、質問すると面白い結果が出た。

20代30代では約半分が【絶対もらえない】もう半分が【もらえないかもしれない】と言うのです。

一方40代以上では【もらえないかもしれない】が大半です。

そしてこの20代30代の【もらえないかもしれない】と言う人からはこんな言葉も・・・。

「もらえたとしても、払った以上に返ってこないから払いたくない」
「損するくらいなら自分で貯金をした方がいい」


多くの方が【年金は損をする】と思っていました。

確かに近年テレビや本等で「若者の年金は払い損になる」と言う話を目にします。
※【払い損】支払う額が受け取る額より多くなる事

ではこの
【年金はもらえない】
とか
【年金は払い損になる】
とか・・・。

一体何を根拠にこんな事を言っているのでしょうか?

 

■年金がもらえない根拠

多くの方が参考にしているデータが平成21年財政検証結果レポート国民年金及び厚生年金に係る財政の現状及び見通し
(平成21年2月23日)これを見ていると思われます。

このレポート、かなり衝撃的な事が多く書かれているのですが厚生労働省のホームページで誰でも見る事のできるデータなんです。

では衝撃的な事が書かれているこのレポートに一体何が書かれているのか?

ざっくりと言えば【年金制度将来のシミュレーション】です。

そして、このシミュレーションの結果「見直さないとヤバイです」と言う事が書かれています。

勿論、シミュレーションをするためには年金のお金がどのくらいの利回りで運用されるのか?

国民年金の未納率は?サラリーマンのお給料は?日本の人口は?

と言うように【前提条件】が重要になります。

この前提条件が現実離れしすぎていた場合。

いくら「シミュレーションの結果、年金は未来永劫安心安全な社会保障制度です!」と言う結果が出たとしても、それを信用
する事はできません。

では、今回のレポートに書かれている【前提条件】を確認していきます。

●賃金上昇率2.5%男子の手取額

2009年月額35.8万円
2025年月額51.9万円
2038年月額71.6万円
2050年月額96.2万円

ガンガン賃金上昇する事が前提条件になっています。
2050年には年収1000万円が当たり前になっている・・・。

楽しみです(笑)

年金積立金の運用利回り4.1%

「兆」単位のお金を安全に運用しようと思ったら4.1%なんて前提条件は無理だと思います。
年金として預かった大切なお金を、ハイリスクな運用はできないはずです。

ですが、この4.1%で運用をしようと思ったら安全な債券等の投資以外に株式等にも手を出さないと到底達成できません。

ハイリスク運用をすれば大きく利益を出す事もありますが、その分大きく損失を出す可能性が同時にある事を忘れてはなりません。

ローリスクハイリターンはあり得ませんので。

国民年金未納率20%

因にこのレポートが出された2009年の未納率は【39%】2012年の未納率は【41%】
誰がどう考えたって20%という前提条件はおかしい・・・。

こんな前提条件を設定して私達の将来の命綱【年金】のシミュレーションをしているのです。

そしてこのシミュレーションの結果

「年金制度を見直さないとヤバイ!」

と言っています。

どういう事かわかりますか?

今よりも

・年金積立金の運用は大成功
・賃金はガンガン上昇
・国民年金の未納者激減

という夢のような前提条件で計算したとしても
「年金システムを見直さないと破綻しちゃう」と言っているんです。

では、この前提条件の要件を見たいしていない場合はどうなるのでしょうか?

答えは簡単

「シミュレーションの結果ヤバイ」と言っているよりも【更にヤバイ】と言う事ですね。

現在は勿論、この前提条件の要件を見たいしていませんので更にヤバイ状況です。

では、やはり年金という社会保険制度は破綻してしまうのか!?

ご安心ください。

多分年金システムは生き残ります。

生き残る年金システム

 

■これも理由は簡単。

支出を減らして、収入を増やせば良いだけの話ですから。

言葉を変えますと、保険料を値上げして、支給額を減らせば良いだけの話です。

そんな事したら皆黙ってないでしょう!?と思われるかもしれませんが・・・。

残念。

既に動き始めています。

*年金保険料の値上げ
*国民年金も厚生年金も平成29年まで、保険料の値上げが決まっています。
*年金支給額の減額*2013年10月~2015年4月にかけて年金支給額は段階的に減額される事が決まっています。

そして、年金の支給開始年齢も60歳から65歳へ段階的に上がっています。

私の時代には65歳で支給されるかどうか・・・。

年金として役立つ金額が支給されるかどうか・・・。

でも、
国「お給料の半分を年金保険料としてもらいますね」
国「75歳から毎月1万円を支給します」
といっても年金は年金なんです。

だから年金は生き残る!

と思います。(実質的には破綻してますが)

国が「大丈夫です」と言っていても信用できないのに、「ヤバイです」と、自ら言っている訳ですからこれはもう重傷です。

このあり得ない前提条件のもとシミュレーションした結果平成117年(92年後)には年金積立金がほぼ「0」になります。

この前提条件をクリアできない限りもっと早い段階で「0」になるでしょう。

こんなデータを国が出しているにもかかわらず、あなたははまだ「年金は大丈夫」だと思いますか?